今#ku too運動が話題になっていますね。
石川優実さんと言う方が「職場でのパンプスの強要は女性差別じゃないか」という主旨で運動が始まった#ku too。
女性差別かどうかは置いといて、パンプスを履くことが、身体にどう影響するのか知らない方も多いはず。
観点が違うかもしれませんが、靴の販売に約9年携わってきた私ゆうな(@yuunacinderella)が、パンプスを長く履き続けることで起こりやすい影響を紐解いてみます!
この記事で分かること
- 女性なら誰でもパンプスが履けるのかどうか
- パンプスを履くことで起こる身体への影響
- 「合わないパンプスを履くから足が痛いだけ。合うパンプスを履けば痛くない」の本質
女性なら誰でもパンプスを履けるものではない
「女性はパンプスを履いている」というイメージが強くあるので、そこから様々な理由で強要されるのはおかしい!女性はパンプス以外も履けるようにしてほしい!というのが今回の運動の発端でした。
そもそも女性なら誰しもパンプスを履くことが出来るのでしょうか?
それはただ純粋に「履いているパンプスが合わないから」「選び方が間違っている」だけの問題ではありません。
それはハイアーチの足型。
ハイアーチとは、縦アーチ(土踏まず)がしっかり高くあり、甲高になっている足のことです。
足裏にはかかと・親指のつけ根・小指のつけ根の3点を結んでいるバネの役割の「アーチ」というものがあり、ハイアーチはこのバネが縮んでいる状態を指します。
横から見るとカーブがしっかりしていたり、プールサイドで水に濡れた足型が漫画やイラストで描かれる足裏みたいなところが特徴です。
濡れた足あとはまるでこのオレンジのような形になります。
ハイアーチは、裸足で立っていても床の接地面が非常に少ないので、常につま先立ちで立っている状態と同じです。
その状態でヒールのあるパンプスを履くと、ヒールの傾斜でさらに足裏と床の設置面が少なくなります。
足はご自身の体重を支える役割があります。
でもヒールを履くことで、自分の体重をたった2本の足で、かつ支える面積が極小な状況だと…痛みが出ないわけはありません。
また女性は男性に比べて筋肉が少ないです。
パンプスを履いて体重を支えるとき、足裏の指のつけ根の骨辺りが床との設置面なんですが、歩いているときに来る地面の衝撃を受けるのは骨の辺り。
パンプスが得意な足型はある?
先ほど「パンプスが得意な人もいれば、履けない人もいる」とお伝えしました。
反対に、どんなに高いヒールを履いても大丈夫な足型があります。
ハイアーチは縦アーチの高さがしっかりある足型でした。
反対に扁平足は、土踏まずのカーブがとても低く、足裏がべったりと床についてしまう足型です。
土踏まずがないため、傾斜がしっかりある靴の方が疲れにくい、歩きやすいというのが特徴。
低いヒールやぺったんこのものは履きづらい、と言う方が多く、9cm、10cmのヒールの方が楽で足に合うという方が多いです。
得意な足型は扁平足の足。不得意な足はハイアーチの足。
パンプスを履くことで多くの現代女性が抱えている足のトラブル
パンプスを履くことで、なにかしら身体へ出てくることがあります。
特に合わない靴を履いていると、頭痛や吐き気、腰痛、ひざ痛を引き起こします。
外反母趾や開帳足の人は衝撃が直に骨へときてしまうので、足の変形だったり、痛みが出てしまうのです。
パンプスが好き・苦手・得意・不得意に関係なく、パンプスを履き続けてきたことにより、現代女性が抱えている足のトラブルはこちらです。
- 開帳足
- 外反母趾・内反小趾
- ハンマートゥ
- タコ・ウオノメ
外反母趾・内反小趾の原因となると開帳足はほとんどの女性がなっている
足のトラブルであまり知られていませんが、トラブルとしてほとんどの女性がなっているのが開帳足です。
足には縦アーチと横アーチの2つのアーチがあり、三角形のように結ばれています。
ーphotoACより
この赤いラインの横アーチは小指の付け根から親指のつけ根よりやや下に位置し、正常な状態で横のアーチがしっかりあると親指〜小指の付け根は弧のようにカーブしています。
しかし開帳足になってしまうと、このカーブが緩み、足裏がベタッと地面につく状態になってしまい、幅が広くなります。
開帳足になると、この写真のように幅が広くなりますが厚みは薄くなります。
人差し指から小指までの指のつけ根が薄くなって見えていますが、この状態が横のアーチが緩んで開帳足になっているのです。
前足部(つま先から指のつけ根辺り)が薄くなるので靴の中で余りが出てしまい、前滑りの原因になります。
その他の特徴は足裏側の指のつけ根が地面に直に当たり、タコや魚の目が出来てしまったり、痛みが出てしまうこともあります。
また指が上に反ってしまうため、靴を履いたときに爪が上に当たりやすくなります。靴を履いているときに爪の上の部分が当たり始めた…という人は開帳足になっているかもしれません。
外反母趾・内反小趾は悪化させるとパンプスが履けなくなる
続いて、外反母趾はかなりなじみのあるトラブルだと思います。
親指のつけ根の骨が内側に曲がってしまうことですね。
反対に内反小趾は、小指のつけ根の骨が内側に曲がってしまうことを指します。
外反母趾・内反小趾の原因は諸説あります。
ただし開帳足になったことが原因で、足幅が広がり、靴の中で窮屈になり圧迫され、指が曲がってしまったことも原因の一つとして挙げられます。
開帳足になったことで幅が広くなってしまったものの、高いヒールを履き続けたり、間違ったサイズ選びや合わない靴を履いていることで外反母趾・内反小趾はどんどん悪化していきます。
指が長い人は要注意!ハンマートゥ
ハンマートゥは槌趾(つちし)とも呼ばれるのですが、足指の関節が曲がってしまうことを指します。
これは合わない靴や間違った靴選びをしていることで起こること。
関節が曲がった状態でパンプスを履いていると、その形状をキープしてしまい、裸足でも指の関節が曲がった状態になってしまいます。
改善する方法は、指の長い人に合った靴選びをすることです。
人差し指が長いギリシャ型はポインテッドトゥを選ぶことで改善されます!
40代になると足が変わる
足は40代になると変わってくるといいます。
今まで履けていた靴が急に合わなくなったり、痛む場所が出てきたりします。
姿勢や歪みなどで蓄積されたものが40代になるとだんだん表面化されてきます。
そこから足の変化を感じることになります。
足が変わったら靴も合うものに変える必要があります。
今まで履けていた靴でも、痛みが出たり、合わないと感じたら履くのを止めてくださいね。
#kutoo運動に見る「合わない靴を履いているから痛いだけ。合う靴を履けば痛くない」の本質
#kutoo運動では「合わない靴を履いているから痛いんじゃない?合う靴を履いていないから」のような考えも出てくると思います。
ただ実際のところ、合う靴を見つけられなくて困っている人が多いのも事実。
シューフィッターに足を見てもらって、足型の特徴を教えてもらい、合う靴を探してもらうことも重要です。
でも女性は生理があったり、ホルモンバランスが崩れやすいところがあり、毎日コンディションが異なります。
その靴は良かったけれど、同じメーカーでも違う型番の靴は合わないこともあります。
またメーカーでもその型番が今後作らないこともありますよね。
そして加齢やコンディションによって、毎日足の状態も変化します。
なので一回シューフィッターに見てもらったからといって、ずっと合う靴を履けるとは限りません。
その靴が自分の足に合うかどうかを判断するのは、70%が合格ラインと言われています。
そこでこの#kutoo運動を通じて感じましたが、思いやりや「お互い様」の気持ちがあったら、きっとこの活動は起こらなかったと思います。
人間ほとんどの人が足を持っているので、どうしても当たり前の感覚になっていますが、足型も十人十色。
足は誰もが同じわけではありません。
パンプスが得意な人もいれば、不得意な人もいます。
足型が合う人がいれば、合わない人もいます。
例えば私は花粉症になったことがないけれど、「花粉症で鼻が詰まって頭が痛い、ボーッとする」と言っている人に
と言っているようなものですよね…。
人それぞれ性格が違うように、足も人それぞれ違うのです。
そこを「そうなんだ、じゃあ履きたい靴履いて」と言える優しい社会になったらいいですね。
まとめ
- パンプスが得意・不得意な足型がある。
- パンプスが得意な足型は「扁平足」、不得意な足型は「ハイアーチ」。
- パンプスを履くことで、頭痛・吐き気・腰痛だけでなく、足の骨にまでトラブルをきたすことがある。
- 結論:「女性なら誰もが皆パンプスを履けるとは限らない。」
- 女性に限らず、男性も大変。「お互い様」精神があればここまで大きな問題にならなかったのでは。
以上、ゆうな(@yuunacinderella)でした。