こんにちは、ゆうな(@yuunacinderella)です。
皆さんは開帳足という言葉を聞いたことがありますか?
このブログの中でもよく出てくる「開帳足(かいちょうそく)」というワード。
開帳足とは、ヒールを履いた経験がある人のほとんどがなっている足のトラブルです。
実は自分の足が開帳足かどうかで靴の選び方を変えていかないと、将来パンプスを始め靴自体が履けなくなる恐れもあります。
この記事では開帳足について正しく知り、正しい靴選びをする方法をご紹介します。
開帳足を治すことはできませんが、改善できるのでご安心ください!
開帳足とはどんな状態?
足には縦アーチと横アーチの2つのアーチがあり、三角形のように結ばれています。
ーphotoACより
この赤いラインの横アーチは小指の付け根から親指のつけ根よりやや下に位置し、正常な状態で横のアーチがしっかりあると親指〜小指の付け根は弧のようにカーブしています。
しかし開帳足になってしまうと、このカーブが緩み、足裏がベタッと地面につく状態になってしまい、幅が広くなります。
開帳足になると、この写真のように幅が広くなりますが厚みは薄くなります。
人差し指から小指までの指のつけ根が薄くなって見えていますが、この状態が横のアーチが緩んで開帳足になっているのです。
前足部(つま先から指のつけ根辺り)が薄くなるので靴の中で余りが出てしまい、前滑りの原因になります。
その他の特徴は足裏側の指のつけ根が地面に直に当たり、タコや魚の目が出来てしまったり、痛みが出てしまうこともあります。
また指が上に反ってしまうため、靴を履いたときに爪が上に当たりやすくなります。
靴を履いているときに爪の上の部分が当たり始めた…という人は開帳足になっているかもしれません。
開張足の主な原因は?
- 高いヒールのパンプスをよく履いている、または履いていた
- サイズや木型が合っていない靴を履いている
- 年齢によるもの
残念ながら現代女性でヒールを履く方はほとんどと言って良いほど開帳足になっていると感じます。
高いヒールのパンプスをよく履いている、履いていた
私が靴業界で働いているときにお会いしたお客様の足を見ていると、高いヒールパンプスをよく履いている方のほとんどが開帳足になっていました。
最近は履いていないけど前はよく履いていた、という方も該当します。
ヒールを履いていると前足部に過度な負担がかかってしまい、アーチが崩れる原因となります。
ヒールを履いているときに体重を支えるのが足裏の前足部ですが、ヒールが高くなれば高くなるほど支えている面積が狭くなります。
その部分で体重を支えるので、前足部に過度な負荷がかかります。
それを続けているとアーチが崩れ、開帳足になってしまうのです。
サイズや木型が合っていない靴を履いている
自分の足に合っていないサイズや木型の靴を履いていることも原因の一つです。
小さいサイズを履くと指が曲がったり締め付けられるため、前足部に過度な負荷がかかります。
大きいサイズは足が靴の中で前滑りしてしまい、小さいサイズ同様に負荷がかかります。
小さいサイズは履かないこと。
そして大きいサイズは中敷で調整し、それでもまだ大きい場合は履かない方がいいでしょう。
例えば親指が長いエジプト型にはポインテッドトゥパンプスは木型が合いません。
ちょうど親指のところがポインテッドトゥのカーブがくるので、締め付けられてしまい、前足部に負担がかかります。
前足部に負荷がかかる状態が続くと横のアーチはすぐに崩れてしまいます。
年齢によるもの
実は人の足は40代を境に変わると言われています。
今まで全然トラブルがなかったのに、40代になってから足のことで悩むようになった、というお客様もいらっしゃいました。
それは年齢とともに筋肉の衰えが出てくるからです。
身体が変われば足ももちろん変わります。
今20代で外反母趾などのトラブルがあっても、デザイン重視で足に合っていないパンプスを選んでいる人は要注意です。
今は良くても、足は40代になったら確実に変わってきます。
トラブルが出てきますので、痛くて靴が履けない…ということもあります。
開帳足になるとこんなトラブルにつながります
- 外反母趾・内反小趾
- タコ・魚の目
- 中足骨骨頭痛
外反母趾・内反小趾
親指が人差し指の方に「くの字」に曲がってしまい、つけ根の関節の突き出ているところが痛む症状の「外反母趾」。(画像赤い丸部分)
外反母趾とは逆に小指が親指の方に曲がってしまう状態で、同様に関節に痛みが出てしまう「内反小趾(ないはんしょうし)」。(画像黒い丸部分)
両方とも開帳足が原因でなってしまうトラブルです。
反対に開帳足にならないとこれらのトラブルは起こりません。
それぞれ指が内側に曲がってしまうので、曲がった指が収まるトゥラインの靴選びが必要となりますが、それよりももっと重要なのが突き出ている関節の方。
関節をしっかり覆ってくれるようなかぶりの深いデザインを選ぶなど、痛みが出ないための靴選びが必要となります。
外反母趾・内反小趾は悪化すると炎症を起こしてしまいます。
炎症が起きると、何を履いても痛くて仕方がない状態になり、裸足でいても痛みがあります。
炎症が起きているときは素材が柔らかい靴しか履けないので、悪化する前に正しい靴選びをする、などの対応が必要です。
タコ・魚の目
開帳足になるとアーチが崩れるため、足裏が地面にベタッとついてしまいます。
そのまま高いヒールを履いていたり、合わない靴を履き続けることにより圧迫や摩擦が起こります。
開帳足になることで既に足は変形している状態になるので、地面の衝撃や体重のかかり方が過度に受けやすくなります。
そこに圧迫や摩擦が起こり、その部分に皮膚が増殖しタコや魚の目になってしまうのです。
タコと魚の目の違いは「芯があるかどうか」と「出来る場所」です。
タコは芯がなく、表面が黄色味をおびて盛り上がっています。
足裏にでき、親指や小指の付け根などの骨の上にできます。
魚の目は名前のように目の形に似て、真ん中に白い「芯」のようなものがあります。
足の表と裏にでき、骨と骨の間や関節のくぼみなどの柔らかいところに出来るのが特徴です。
痛みを伴うこともあります。
タコや魚の目を治すタコ・ウオノメ除去用バンドエイドや一時的に緩和させるための足裏クッションは多く出ていますが、いくら治しても根本的な原因を治さない限り何度も同じ場所に出来てしまいます。
中足骨骨頭痛
あまり聞かれないトラブルかと思いますが、開帳足になっていて足裏の人差し指〜中指の付け根あたりにジンジンした痛みが生じます。
ヒールを履いているときに体重を支えている場所が中足骨(指の付け根のあたり)なのですが、高いヒールを履くことで支える面積がだんだん狭くなります。
高いヒール以外に、底が薄い靴も地面からの衝撃を直に受けやすいので痛みが出ることもあります。
- 高いヒールを履かない
- 靴底が薄すぎるものは履かない
- 横アーチをサポートできる中敷を使う
フランスのレペットのように薄い靴底の靴は避けたり、村井インソールプロから出ている「中足骨頭部痛対策」の中敷を入れることでも痛みを緩和することが出来ます。
※パンプスにこのインソールは入れられないのでパンプスをお休みしているときにスニーカーやブーツなどに入れて使用してください。
【これは絶対だめ!】間違いやすい開帳足の靴の選び方
無理に合わない靴を履いていると外反母趾や内反小趾になってしまったりなどとトラブルにつながるので、正しい靴選びをすることが重要になります。
ここでは開帳足の方が陥りやすい間違った靴の選び方を紹介していきます。
【間違い】3E、4Eなどの幅広の靴を選ぶ
冒頭でもお伝えしましたが、開帳足はアーチが崩れて幅が広くなってしまった状態のこと。
確かに開帳足になってしまったら幅は広くなりますが、3E、4Eなどを足幅が大きい靴を選ぶことは間違いです。
開帳足の足は幅は広いけど足の厚み(足囲)はとても薄い状態。
ここでちょっと足囲についてのお話しです。
足囲は「幅+厚み」のことを指し、日本人女性の足囲の平均はEと言われています。
インポートの靴は足囲が細く薄く、だいたいB、Cくらいですが日本の靴はE以上の足囲が多いです。
足囲が3E、4Eの靴は「幅が広くて厚みもしっかり厚い」ので、幅がしっかりあり、肉付きにいい足には合っています。
しかし開張足は「幅は広いが厚みは薄い」ので2E、3Eの靴を履くと厚みが足りず、指の付け根あたりに余裕が出来ます。
開帳足の人がこのまま3E、4Eの靴を履いているとどうなるでしょうか。
厚みが足りないので靴の中で足が押さえられずに前滑りをしてしまい、つま先のあたりで止まります。
しかし靴の中で足が正しい位置に収まっていないため体重などの圧力が過度にかかり、外反母趾が悪化します。
指の関節が曲がるハンマートゥになってしまい、靴を履くのも痛みが出ます。
ハンマートゥになると中足骨骨頭痛にもなりやすくなり、タコや魚の目が足にぎっしり。。。というトラブル続きになってしまいます。
そのため開帳足になってしまったからといって、間違っても3Eや4Eの靴は選ばないようにしてくださいね。
ただしこの足囲ですが、同じE表記の靴でも「幅が細くて厚みがしっかりある」ものと「幅が大きくて厚みは薄い」ものがあります。
それはブランドやデザインによっても異なりますので、難しいのですがしっかり試着をして足に合うかどうかを見定めてください。
開帳足の正しい靴の選び方
それでは開帳足の人に合う靴の選び方を紹介します。
1.幅広で足囲が薄いものを選ぶ
「幅は広いが厚みが薄い」もの選ぶようにしてください。
幅はしっかりないときつく感じます。
きついものを無理に履くと、頭痛や吐き気などが起こりやすいので絶対にしないでくださいね。
厚みは薄いものだと足がピタッと止まってくれて前滑りを防いでくれます。
現代女性のほとんどが開帳足になってしまっています。
それでも販売されている靴の多くは、足囲が大きめのものばかり。
なので見極めがとても難しい点があります。
見極め方としては、試着をして店内をたくさん歩いてください。
店員さんに遠慮する必要はありません!なぜなら買った後もその靴を履くのはあなたですから。
足踏みしたり、数歩歩いただけでは靴が合っているかなんて分かりません。
試着のときのチェックポイントはこちら。
- 幅はきつくないか
- 靴の中で足が前滑りはしないか
- かかとは止まっているか、かかとはパカパカ脱げないか
- 履き口の上から指を入れてみて、つけ根のところに指が何本も入るほどスペースは空いていないか
以上のことを必ず確認してみてください。
2.甲が止まるものを選ぶ
スニーカーなどのひも靴やブーツなどの甲がしっかり止まるものを選んでください。
ひも靴はひもをしっかり結ぶことで甲止まりが良くなり、前滑りを防いでくれます。
前滑りを防ぐことで前足部にかかる圧を軽減することが出来ます。
スニーカーではカジュアル過ぎるようでしたら、レースアップシューズがおすすめ。
大人カジュアルなのでパンツスタイルにもスカートにも合わせることが出来ます。きちんとした場にも履いていけるので、一足あると重宝しますよ。
崩れてしまった横アーチをサポートする方法
アーチは靭帯は筋・腱によって構成されるため、一度開帳足になってしまったら崩れてしまった横アーチが元に戻ることはありません。
靴でアーチをサポートすることは難しいので、中敷で横アーチを作ってあげる方法があります。
こちらはパンプスの中敷に貼り付けるタイプです。
アーチの位置や厚みは人それぞれですが、貼り付ける位置は「足裏の指の付け根よりも少し下」くらいにくぼんでいるところがあるので、インソールの盛り上がっているところがくぼみにはまるように置いてください。
厚みが合えば、このアーチクッションを入れるだけで広がってしまった横アーチが出来ます。
広がってしまった幅が正しい幅に戻ることで幅の当たりが軽減出来ますし、足裏の指の付け根の骨の当たりも軽減することが出来ます。
【まとめ】開帳足なら靴は「幅が広く厚みが薄いもの」を選ぼう
開帳足はヒールを履いたことのある現代女性の方でしたらほとんどがなっている状態と言えます。
普段全くヒールを履かない私ですらなっているくらいです。
開帳足になってしまうとトラブルと一生付き合っていかなくてはならないので、なってしまったら、正しい靴選びがとても重要になってきます。
甲があまっているのに3E、4Eの足囲が大きい靴は履かないようにするだけで、足のトラブルは予防することが出来ます。
今後10年、20年とパンプスを履ける足を持続するために、正しく開帳足を付き合って行きましょう!